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新型「ノート」に採用される「HR12DDR」エンジンについて 〜開発者インタビュー〜

 

新型「ノート」に搭載される「HR12DDR」エンジンの特長と開発の狙いについて、パワートレイン開発本部エキスパートリーダーの上田隆正主担の佐藤健に話を聞きました。

上田:

燃費向上やCo2削減のためには、骨格として小さなエンジンを選ぶ必要があります。エンジンを大きくするということではなく、3気筒のエンジンをベースにして過給をすることで、燃費を向上させながら「Fun To Drive」を実現しました。

佐藤:

「スーパーチャージャー」の採用では、「ターボチャージャー」との比較も実施しましたが、小排気量エンジンとの組み合わせを鑑みて、最終的に「スーパーチャージャー」を選択しました。

我々は、20年以上前にマーチで「スーパーターボ」エンジンを世の中に出しています。今回、「スーパーチャージャー」のシステム開発にあたり、今までで培った「開発DNA」を生かして開発しました。

上田:

日産の強みは、「フリクションを下げる」とか、「圧縮比を上げる」等の開発を長年地道に続けてきたことです。このエンジンを作るために、今まで培った技術をとにかく全部入れました。

フリクションロス低減のためには、エンジンが動いた時に発生するフリクションを下げることが肝となります。解決策として、ピストンと、エンジンボア間のフリクションを下げる為に、特殊な加工である「真円ボア加工」を使用しました。また可変容量式のオイルポンプを利用しています。最小限の仕事で済む工夫を至るところに実施しています。

フリクションを下げる為に「水素フリーDLC」という特殊なコーティング技術を使っています。「DLC(ダイヤモンドライクカーボン)」は一般的な技術ですが、今回、水素を含まないDLC膜とすることで、更にフリクションを下げるという技術も適用しています。

エンジンの性能を表す言葉に「圧縮比」というものがあります。「圧縮比」を上げるということは、燃焼させたガスの力をエンジンに効果的に伝えるということです。

「圧縮比」が低いということは、燃焼させたエネルギーの一部が排気ガスとなってそのまま捨てられるということにつながります。したがって、圧縮比を上げることで、燃えたエネルギーをできるだけ効率的に活用することが一つの目的となります。

ガソリンエンジンは元々ノッキングを起こしやすいので、圧縮比に制限があります。このノッキング抑制が課題ですが、燃焼室から熱を積極的に逃がすということが一つのポイントになります。

燃料を(燃焼室の中に)直接噴きつける直噴技術は、燃料をリーンに燃やせるということだけでなく、中にある空気を気化熱で冷やせる効果があり、圧縮比を上げられます。

一方、過給するということは、温かい空気を燃焼室に詰め込むことになるので、直噴と組み合わせることで、過給をしながらも圧縮比を下げずに済ませることが可能になります。これが、今回の直噴技術を使った大きな理由です。

特殊なエグゾースト系のバルブを使用しており、中にナトリウムを封入し、それをうまく使うことにより燃焼室の熱を逃がし、ノッキングを抑える方法を使いました。他にも、設計を工夫して、積極的に水で燃焼室を冷やすという技術も活用しています。

小さなエンジンによりエンジンルームを小さく出来るということは、キャビンスペースを大きく取るために大きなメリットとなります。それ以外にも、エンジンが軽くなることで、部品も軽く出来ます。相乗効果として、車の重量も下げられることにつながります。

このエンジンの特長を一言で表すと、「体は小さいけれども力持ち」。

市街地や街中をゆっくり走る際は、燃費の良さを実感してもらいたいし、高速や山岳路で少し走りを楽しみたいときには、このスーパーチャージャーの過給によるトルクや加速感を是非味わってもらいたいです。

 

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