2012年10月4日
2012年8月度のグローバル販売実績について
日産のグローバル販売を担当する副社長の片桐隆夫による8月期のグローバル販売実績についての解説です。
市場が減速する地域もあるなかで、ロシアや新興国では強い成長をみせました。
Q1: 8月のグローバル販売実績についてポイントを教えてください
片桐副社長
8月のグローバル販売も引き続き堅調でした。グローバル販売台数は38万台で前年対比5%増でした。この結果は36ヶ月間、つまり約3年間連続で前年に対して成長を続けていることになります。
Q2: 中国の状況について教えてください
片桐副社長
中国の全体需要はマクロ経済の減速あるいは広州市での登録台数規制の導入など、マイナスにつながるような要因あるのは確かです。ただし、対前年では継続して成長しています。環境の変化を注意深く見守る必要はあるものの、極端に悲観的になる必要はないと考えます。
また、卸売りという観点からみた場合、8月はどのメーカーもディーラー在庫が若干高い水準にあり、特に日本車ブランドを中心として卸売り台数が前年対比でマイナスになったと考えています。その中で、日産の販売台数は対前年比の0.6%増と比較的健闘しているといえるでしょう。
8月以降の受注および小売台数は堅調に推移しています。9月はある程度の水準を維持できると考えています。
ただし、市民のデモ(活動)等も含め、環境の変化には注視していく必要があると考えています。
Q3: 欧州の8月の全体需要が減少しているなか、日産の販売実績は前年対比で3.1%増となっていますが、この状況について説明してください
片桐副社長
欧州市場は非常にまだら模様というのが原因です。当社は、ロシアおよびイギリスなど全需が落ちていない地域での販売強化に取り組み、欧州危機の影響を最小限に留め、この結果、継続的に欧州全体は成長しています。
南欧を中心に減少している市場はありますが、それ以外の市場では販売を大きく伸ばしており、これが全体を押し上げているという状況です。
特に、当社の最大市場のロシアでは大きく販売台数を伸ばしました。車種別ではSUVの「ジューク」「キャシュカイ(日本名:デュアリス)」「エクストレイル」などが牽引しています。
また、アライアンスパートナーでロシアメーカー、アフトワス社の工場でロシア向け専用車として開発された「アルメーラ」を生産、2013年初めに販売を開始する予定です。つまり、今後についても、ロシア市場での成長を確保しています。
Q4: 成長市場といわれている国の状況は?
片桐副社長
鈍化している市場がある一方で、いわゆる成長市場と言われている国において、日産は大きく販売を伸ばしました。
例えば、タイでは4割以上、ブラジルは8割以上、インドでは前年比で倍以上の販売の伸びを記録しました。
これは新車の投入や商品戦略の成果で、これらの市場の販売台数を強く牽引しています。