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「日産アートアワード」開催

安部典子氏「Inner Water」

芸術作品の評価基準はどこにあるのでしょうか ?

横浜市にある「BankART Studio NYK」で、今年創設された日産アートアワードの第1回表彰式が行われました。

世界を拠点に活動する美術関係者5名からなる審査委員会は、最終選考に残った8つの作品をじっくりと評価しました。

一般的に企業の芸術支援はは珍しくありませんが、日産単独としては今回が初めてとなります。

本イベントは社会や人々に新たな発想や刺激を与えられる芸術作品を表彰することを目指しています。

鈴木ヒラク氏「時間の絵(マンモスの牙)」

社長のカルロス・ゴーンは、次世代を担う精鋭の日本人アーティストへの支援と展覧会開催を実施することで、当社は意義のある社会貢献をの一助となると述べました。

海外の出展経験もある8名のアーティストたちは、言葉、歴史、境界、無常といったテーマで、様々なメディアミックスのインスタレーション作品を出展しました。

デュッセルドルフ在住の増山裕之氏は、時と空間を視覚的に表現するため、フランクフルトから東京までの11時間のフライト中、20秒ごとに撮った写真900枚以上を繋ぎ合わせました。

増山さんはタイムマシーンが存在しない以上、人は時や空間を理解することが難しいと言います。

増山裕之氏「ライトボックス」

増山氏は「我々人間は、まだ文明のレベルとして時間や空間というものをちゃんと、具体的に説明する方法を持っていないと思います。サイエンスは毎年のように発展し進化していますが、時間と空間はまだ私たちにとって神秘の世界だと思っています。この神秘的な時間や空間といったテーマを僕は芸術という手段を用いて表現しようと考えています」と作品のコンセプトを説明しました。

オブジェを中心に部屋を建築するアーティスト西野達氏は、日常的に見るものに異なる意味を持たせるアートを生み出しています。

BankARTでは、横浜を開港に導いた「ペリー来航」を示唆する絵が公衆トイレにちりばめられていました。

西野達氏「ペリー艦隊」

グランプリを受賞したのは宮永愛子氏の「手紙」でした。

「手紙」は歴史的記憶や儚さをナフタリンで作られた鍵やスーツケースで表現し、時間の経過とともに自然に分解され昇華していく作品です。

「横浜の歴史の中、例えば西洋から文化が来て突然いろいろなものが変わったり、またそこを使っていろいろな人の欲望が働いたり、夢があったり、期待があったり、いろいろな意識のやり取りや行動でのやり取りなど(があったと思います)。例えば物質が実際に動くこともあり、いろいろなことがあって今の(横浜の)あの景色があるのだと思います。そのようなやり取りに一つの鍵が閉まってあるような、それぞれの想いがまた広がっていくようなことを思って『手紙』というタイトルにしてあります」と話しました。

Aiko Miyanaga at her "Letter" installation

宮永愛子氏「手紙」

本賞の審査員を務める、森美術館の南條史生館長はアートが創造力の無限の源であると説明しました。

南條館長は「日本の現代アートは独創的であり、多文化にも伝わり、創造性を刺激するものが和を作らなければいけません。一番心に響く瞬間はそのアートが発見されたときです。

アートはユニークとローカル、インターナショナルでユニバーサルでなければなりません。そして新しい言語、新たなものの見方、新コンセプトを見せなければなりません。そうして新たな価値は、もしかしたらローカルで狭い範囲の価値観かもしれませんが、インターナショナルになります。そして、キュレーターとして一番重要なのはその現象が起こったときに広めることです。つまり、類のないアーティストが現れたときです」と語りました。

日産アートアワードではその目的が達成され、グランプリの宮永氏には、現代美術家の名和晃平氏が制作したトロフィーが授与されました。

西野氏には審査委員特別賞が贈られました。

日産自動車社長カルロス・ゴーンよりグランプリを受け取る宮永氏

アートは常識を考え直すきっかけであり、人生において大切なことです。

古代建造物からクルマまで、アートやデザインはテクノロジーのように進化し続けます。

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